2018年5月19日(土)に広島市で開催された「Webアクセシビリティの学校 in 広島」に参加してきました。私は2015年11月8日に岡山市で開催された「Webアクセシビリティの学校 in 岡山」に続き2度目の参加でした。(個人ブログに記事「『Webアクセシビリティの学校 in 岡山』に参加」を残しています。)
セミナーの内容は定期的にリニューアルされているようで、2回目の参加でも新鮮な気分で聴くことができました。今回は「Webアクセシビリティとは」「なぜWebアクセシビリティに取り組む必要があるのか」の部分が手厚く解説されたような印象がしています。
セミナー後半で解説された「Webアクセシビリティ」の基本の「キ」10項目は、理解しているつもりでも慣れてくると例えば画像の代替テキストの付け方が少しぶれてしまうなど自分でも「あらあら」と思うことがあるので、改めてポイントを確認することができて有意義な時間でした。基本の「キ」10項目は、会社に新しく入社したメンバーや広島県内で同じ勉強会に参加される方々に知ってもらえたらなと考えています。
障害者・高齢者のためだけの取り組みではない事を伝えたい
「『Webアクセシビリティ』は障害者・高齢者のためだけに取り組むものではない」という点がまだまだ理解されていないと思うことがあります。先月も「W3Q - Web制作者のためのQ&Aサイト」に「すべての商用サイトは8341に対応すべき?」という質問が上がり私が5番目に回答したのですが、どうも上手く伝わらなかったような気がしており未だに回答内容について自問自答することがあります。
今回のセミナーで植木さんは以下のような例を挙げ、バリアフリーの施策が障害者など一部の方だけでなくユーザー全般の利便性向上につながっていることを解説されましたのですが、これは理解しやすいなと感じました。
- 交差点付近の歩道のカーブカット(角を丸く取り段差をなくす)
- 車椅子の方がスムーズに通行できるだけでなく、セグウェイでも通行できる。また、キャリーバッグや高齢者が利用する手押し車(シルバーカー)もスムーズに通行できる。
- 駅のエスカレーター
- 高齢者の方だけでなく、老若男女あらゆる人が上下の階へ楽に移動できる。重い荷物を持っている人でも階段を安全かつ楽に登り降りできる。
手を怪我してマウスが利用できないなど一時的に障害がある場合の例を出しても納得して頂けないことがあるので、あえてWeb以外の例を挙げるのも良いのかもしれない、と考えました。(Webの話をしているのでWebの例で理解して頂きたい思いはありますが...。)
デザイン? アート?
リンクテキストを色の変化のみで表現すると何らかの理由で色が判別しにくい場合にリンクと認識しづらいので常に下線を付けたい派なのですが(先に紹介したブログ記事「『Webアクセシビリティの学校 in 岡山』に参加」を読み返すと、セミナーでこのことに気付いたことを記録していました)、デザイナーさんから「下線を消したい」と言われることがしばしばあり、懇親会でどのようにしたら良いか植木さんに質問をしました。ここで話題に出たのは「Webサイト(Webデザイン)はアートではない」という趣旨のお話でした。この「Webサイトはアートではない」というのは、先月参加した「CSUN 2018 参加報告セミナー」の懇親会でも弁護士ドットコムの太田さんが話題に出されハッとしたものでした。
前後の文脈を含め一言一句記憶できていないのですが、私は今のところ次のように理解しています。
"Webサイトは美術館などに飾って眺めてもらったり批評してもらったりするような「作品」ではなく、Webサイト構築時に定義された何らかの目的を達成するための「インターフェース」である。したがって、ユーザーがコンテンツを十分に理解できるビジュアルデザイン、また容易に操作できるビジュアルデザインでなければならないし、ワイヤーフレームをベースに慣習やWCAG 2.0のようなアクセシビリティガイドラインを前提条件として取り入れてデザインしなければならない。"
この「デザイン? アート?」の問いやリンクの下線について昨晩考えていたのですが、リンクの下線については以下のような記事を見つけたので書き留めておきます。アクセシビリティだけでなくUXデザインにも関係するなと感じました。